ふれあ

2020年08月

我が子を迷子にさせない為に

maigo
その日は突然やってくる

家族としてわんちゃん、ネコちゃんと暮らしている方々は、まさか自分の身にそんな事が起こるなんて!と思っている人は多いと思う。

わたしもそんな平凡な飼い主の一人だった。

子供の頃からずっと犬を飼っていた私。昔は放し飼いなんて当たり前のような時代で、夜に首輪から鎖を外し朝になってからまた庭に繋ぐ、そんな家庭が多かった。私はそんな時代を経て、大人になってから家の中で犬を飼うことを知った。手に届くところにいつもいてくれるその温かく柔らかな存在に癒される日々は本当に幸せだった。

そう、その日がやってくるまでは…

もう10年以上が経つが未だに心臓がギュッとなる苦しい気持ちになる。。

ある夏の暑い日、私の大切な家族は家から居なくなった。

前にも訪問者に驚いて玄関の隙間からするりと抜けて逃亡した事があったがすぐに見つかった経験から、またすぐ帰ってくるだろうとたかをくくっていた。
それでも即座に警察と愛護センター、市の保健所にも届け出を出して捜索を開始した。
ただ一つ以前の逃亡と違ったのは、私のいる家から出て行ったというより、私を追いかけて家を出てしまっていた事だった。
その日は小学校一年生の息子がいつもの時間に帰ってこなかった為、近所の方も息子探しを一緒に手伝ってくれていた。小一の息子の他にも小さい子供が二人いて、私は背中にも前にもその子達を抱えて小一の息子探しに奔走していた。電話が鳴り、いなくなった息子の居場所がわかり私は迎えに行く為に家を出た。近所の方が下の子供たちを自宅の敷地内で見てくださると申し出てくれたので、身一つで自転車で猛スピードで家を飛び出た。犬も子供も飛び出ないように家の門も閉めていった。サリーちゃんに出てくるよしこちゃんの弟達の逃げ足のような回転数で必死で自転車をこいだ。もちろん後ろなんて振り返る余裕は全くなかった。
息子と一緒に家に帰ったら、ご近所の方々から犬が私の後を追って出て行ったことを聞いた。
追いかけたけど追いつかなかった事、門の下をくぐり抜けて出て行った事、大通りあたりで見失ったことなど話してくれた。

小型犬のしかもちょっと珍しい毛色で、特徴がある子だったのですぐに見つかると思っていた。
人懐こい性格からすぐに人を頼るだろうとも思っていた。
それでも心臓の音は高鳴り、その日は夜遅くまで探し回ったが見つからなかった。
全く眠れず、家の前の車の中で一夜を過ごした。

あのときなんでちょっと後ろを振り返らなかったのだろう。

振り返って見ていたら、こんな苦しい思いをせずに済んだろうにと今も思う。

次の日も次の日も毎日のように朝から探したが見つからない…

愛護センターや警察にも性別も間違えて収容される可能性があると聞き毎日のように問い合わせた。
動物病院にも聞き回り似たような子が事故で運ばれていないか聞いて回った。
当時今ほどマイクロチップの制度も確立しておらず、むしろマイクロチップが虐待では無いかという意見も多かったので、うちの犬もマイクロチップを入れていなかった。
そして子供たちが家の中で首輪を引っ張ったりするので、事故に繋がらないように家の中では首輪を外していた。目撃情報の中で首輪がなかったから捕まえられなかったという連絡もあり、本当に悔やまれてならなかった。その中で以前迷い犬を保護した事があるという親切な方から連絡をもらい、私の住んでいるあたりはさまざまな市町村が隣接している為、もっと幅広く連絡した方がいいことなど探す際のコツをおしえてもらい、捜索範囲を広げて行った。SNSでも訴えかけたところ、心強い協力者も現れ、迷い犬のチラシを考えてくださったり、ポスティングを一緒に手伝ってくださったり、私の心を沢山沢山支えてもらった。うちでとっていた新聞屋さんもご好意で白黒のチラシを無料で新聞に入れてくださったこともあった。

私が当時行った事は

★毎朝市町村の保健所、愛護センター、警察、ゴミ収集所(事故で亡くなった場合はここに情報が行く)など27箇所に電話。そして新しい写真付きのチラシを更新するたびに送付。
★SNSに日々の目撃情報などをUP
★ポスティング
★わんちゃんのお散歩中の飼い主さんにチラシ配布(朝晩)
★動物病院とペットサロンに写真付きチラシの送付と電話(東京、神奈川で1000件以上送付)
★目撃情報のあった場所に行ってチラシ配布と聞き取り
★新聞の折り込みチラシで迷子情報の拡散
★保護活動をしているところに似たような犬の情報を求める

そして、目撃情報はたびたび入ってくるが全ての情報を私が目で確認できる事が一度もないまま時は過ぎていった。一番辛かった目撃情報は、犬が私の自転車を追って走っていたが、大通りを犬が渡りきれずに車道で混乱して、その道に沿って走っていたというものだった。私が彼女を帰れなくしてしまった張本人だった。

捜索は難航し数年経っていた。
貯金も使い果たし、母として家の仕事は何も出来ていない日々だった。

時折「誰か優しい人に飼ってもらってるから元気にどこかで生きているよ」と声をかけてくださる人がいたが、私にはそんな風に思えなかった。もしも人間の家族が居なくなったと考えたら、そんな事言えないはず、とても悲しい気持ちになった。そんな人は親切な人じゃ無い、誘拐犯だ!と、思えて涙が出てきた。そして思うのは、どうしてこんな事が私たち家族の身に起きてしまったんだろうという思いしかなかった。そんな中、今も問題になっているがSNS上で私の非を非難してくる顔の見えない人々の存在。チラシ配りをしてる中でも心無い言葉は何度も聞いていたが、顔の見えない人の言葉はナイフのように突き刺さり、心から抜ける事はなかった。でもそれも私が「ほたる」を逸走させてしまった事実であり、「ほたる」が今も苦しい生活を外でしているのなら私の辛さなんて大した事ないと心を奮い立たせた。そして何よりありがたかったのは、その顔も見えないSNS上から飛び出してきてくれて、実際に私と共に現実世界で「ほたる探し」を手伝ってくださった方々や情報の連絡をくださった方々の存在だった。SNSでの批判を受けて載せた事を後悔もしていたこともあったが、それよりもその方達に出会えた事が価値あることだったから、あの時を取り乱す事なく乗り越えられたのだと私は今も思う。

あれから10年以上が経ち、当時9歳だったあの子も20歳になっているはず。犬の寿命を考えても、彼女の持っていた病を考えても生きているはずは無いと思う。そう考えてやっと最近やっと諦める気持ちが芽生えてきた。それでも似たような毛色の犬を見かけるたびにドキッとして…思い出して…目で追って…泣きたくなるのは今も変わらない。もう一度会いたい…と、心の中から今も想う。

大好きだよ、ほたる。一生忘れない。

私は、それからトリミングの勉強をした。
私を助けて導いてくれた人たちのために、そして何か動物のためにお手伝いができないかと、保護犬保護猫のボランティアを細々としている。
でも特に燃えるのは、やっぱり犬や猫が居なくなった案件の時だ。自分のような飼い主をもう作りたく無いから、熱く熱く燃えてしまう。

私の経験から伝えたい事はただ一つ。
「お願いだから迷子にさせないで」

ほんの小さな努力と注意でこんな思いをしなくていいのだから…

★マイクロチップをつけて!
★首輪と迷子札もいつでも身につけさせて!
★逃走防止策を考えて!
★それでも逃走しちゃった時はとにかく「すぐ動く!!」のんびり帰ってくるかもーなんて待たないでほしい。そのときになってどこに連絡したらいいかなんて調べていたらどんどん時間が経ってしまうので、あらかじめ連絡先は作っておく
★ちゃんと帰ってきたらぎゅぅぅっと抱きしめてね

先日そのお手伝いをしてくださった方のわんちゃんが亡くなり、一緒にチラシ配りをしてくれていたその「ソルトちゃん」に思いをはせた。スーパーのショーケースで大きくなるまで入れられていたその子は、その方の家に行って本当に幸せそうだった。
そしてもう一人のお手伝いをしてくださっていた方も今、町田市の動物愛護団体でボランティアさんとしてお手伝いをしている。保護犬も家族に迎えて今も幸せに暮らしてる。

全て「ほたる」がつないでくれた縁。私はこれからも大事にしたい。

私も今は犬三匹、猫一匹と一緒に幸せに暮らしている。

そして二度とあんな思いをしないように、あんな思いをする動物と人を増やさないように、啓発活動をしていきたい。

そして、この記事を書く機会を私に与えてくれた「ふれあ」に感謝している。

ほたる、ありがとう。またいつか会おうね。


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伝えたい事がまだたくさんあります! 

長年、動物に関わる仕事をし、この7年間は東京都町田市で犬猫保護活動を続けてまいりました。

この地域では動物愛護の精神を持って活動している素晴らしい団体や個人の方が多く、それぞれ日々活動し頑張っていますが、一般の方にはなかなかそれが伝わりにくいのが現状です。

動物が好きな方にとっても、やはり保護活動や動物愛護というと少しハードルが高く感じられる事があると思います。

 そこで、地域と動物をむすびつける情報誌が少ないことに気がつき、手に取りやすく、わかりやすい内容で、動物愛護・動物福祉について発信できるフリーペーパーを制作して無料で配布したいと思うようになりました。

フリーペーパー''ふれあ"では、保護に限らず、地域の犬猫を含む動物についての情報を発信し、より良いひとと動物の共生にむけて活動していきます。


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